どうすれば生徒数が増やせるのか

以前「バイオリン上達の秘訣」でもご紹介しましたが、僕は今までに300人近い生徒さんにバイオリンを教えてきました。

教室がある自宅は滋賀県でも特に山奥にある下戸山というコンビニに行くにも自動車で5分はかかるような不便極まる田舎です。

しかも僕は音大を出ているとはいえ、東京芸大や桐朋学園といった名門校出身ではありません。

それなのにどうして、そんなにたくさんの生徒さんが通ってくれているのでしょうか。

 

僕は16年前、10年間のサラリーマン生活を辞めて自宅でバイオリン教室を始めました。

どうやって初めは生徒募集をしたかというと、5万部の生徒募集の新聞広告を印刷屋さんに頼んで配布してもらったのです。

その印刷料金と折込料金は結構な額でした。

しかしそれによって3名の生徒さんが通ってくれるようになりました。

生徒数が5~6名になったころ、ネットの友達がホームページを作って生徒募集したらいいのじゃないかと教えてくれました。

たまたまですがその時に使っていたプロバイダーに「ホームページ本舗」という初心者でも簡単に作れるホームページサービスがあり、それを苦心して作って募集を開始しました。

当時は「滋賀 バイオリン教室」で検索するとまだ2~3件しかヒットしなくて、常に「山本バイオリン教室」はTOPに出ていまして、それからどんどんと生徒が増え続け、3~4年で専門で十分生活できるだけ教室で儲けることができるようになりました。

 

その後、たくさんの教室がホームページに進出してくるようになり、どうしたものか・・いろいろ考えていたところ、その時に大学生だった生徒さんが「動画をYou-Tubeに投稿されたらどうですか」というアドヴァイスをもらったのです。

初めは僕は恥ずかしくて顔出しなしで投稿を始めました。それが今からちょうど10年前で、まだYou-Tuberと呼ばれる人はいませんでした。バイオリンの動画を出している人自体が非常に少なかったこともあり、結構僕の動画の再生回数も多かったですね。

その大学生の生徒さんの勧めでその後思い切って顔出しを始め、うまい具合に今まで使っていた「ホームページ本舗」に動画が載せることができました。

それからというもの、少し生徒数が減少しかかっていたときに盛り返すことができました。

 

僕は今でも生徒数を増やす方法はこれが一番だと思っています。

ホームページをみてどんな先生が教えているのか、また先生や生徒さんはどんな演奏をしているのか、レッスンの雰囲気など、活字や写真だけではわからないところまで、動画では伝えることができます。

体験レッスンを受けずにも教室の雰囲気を体感できるのです。

これほど自分や教室を迅速にアピールできる手段はほかにはないと確信しています。

 

今や音大出身で生徒が欲しい先生は大勢おられると思います。

音楽家は本来、大きな舞台で演奏したいという願望があるような目立ちたがりの方が多いと思います。

それなのにどうして顔出ししてYou-Tubeで公開するのにためらわれるのでしょうか。

今の時代、ただ待っているだけでは生徒が集まるのはとても難しいことです。

本当に自分を大勢の人にアピールしたいと思うなら是非You-Tubeなどの動画を活用されることをお薦めします。

再生回数が1,000回の動画というのは大ホールで1,000人の観客に演奏を聴いてもらっているのに近い価値があると思います。

 

どうして僕が今になってこんな大ヒントを述べるのかというと、僕はそれほど今以上の生徒を今は募集しようとしていないということもあります。

現在は生徒数は30人弱ですが、全員にしっかりと目が行き届いたレッスンを行うには丁度いい人数だということがわかってきました。

16年のうちに300人近い生徒さんを教えてきたということは270人は辞めているという事実があります。

その中には進学、就職、転勤、結婚、出産などやむを得ず辞められた方もいらっしゃいますが、僕自身がとにかく数をこなそうとして言い方が悪いかもしれませんが、流れ作業的なレッスンになっていた時期もあり、個人個人をしっかりとみていなかったというより、1日に8人~10人、多いときは12人教えないといけないときがあり体力的、精神的に僕自身が参っていたと思います。

そのぶん、生徒さんはやはりレッスンに通う時間がもったいない、或いはお金がもったいないと思われて辞めていかれた方もいらっしゃると思います。

僕は今の少人数制でじっくり一人一人と向き合ってレッスンをするほうが合っていることに気づきました。

それからというもの、生徒さんは固定され、殆どが辞められなくなりました。

これは生徒さんも僕も充実したレッスンができている証だと感じます。

これからもこのスタイルを守っていきたいと思っています。