バイオリンの肩当はあったほうがいいのか、ないほうがいいのか。

バイオリンの構え方で肩当をするべきか、しないべきか。

これはバイオリンを演奏する人は一度は悩んだことがあると思います。

 

バイオリンは結構不自然な体制でしか楽器が構えられないため正しいフォームで構えることがとても難しい楽器だと思います。

弓の持ち方も然りですね。

 

なので、小さな子供さんは初めは音が出せる最低限のアバウトなフォームができていればよし、としないとなかなか音出しまで行けずにすぐにバイオリンが嫌になってしまう可能性が高いですね。

そんなときに肩当を装着して顎と肩で楽器を挟んでバイオリンを保持するように練習すると、肩当なしで左手で支える方法よりも早くにとっつけることが解ってきました。

小さな子供さんにすれば、身体にあった分数サイズのバイオリンであってもとても大きく重いもので、ネック部分を左手の親指と人差し指で挟んで演奏するというのはなかなか耐えられないようです。

最初注意したときは正しく構えられてもバイオリンを左手首や手のひらで支えてしまうようでしたら、肩当をして無理なく指が動かせるほうがその子供さんの進歩を妨げないでしょう。

でも肩当が無くても、しっかりと左の親指と人差し指の付け根でだけでネックを支えて、バイオリンを床と平行に保って自由に演奏できるならば、そのほうがいい姿勢が保ちやすくその子供さんにはそのほうが将来的にもいい結果が出る可能性が高いです。

 

これは大人の初心者の方にも言えると思います。

ただ、このまま進んでいってもポジション移動やビブラートなど少し難しい技法を習得するときに肩当なしの方は肩当をされている方に比べ少し苦労することも覚悟しておく必要があると思います。

 

最終的肩当ありと肩当なし、どちらがいいのか。

これは賛否両論あって僕にもわかりません。

僕も子供のころから音大に入るまで4~5人の先生に習ってきましたがずっと肩当に頼っていて、まさか肩当をはずしてバイオリンを構える方法なんてあるとは思いもよりませんでした。

今ではようやく肩当なしでの演奏に慣れましたのでそれぞれ善し悪しがある程度理解できているつもりです。

 

肩当をするメリットはまず、左手を楽器から離しても楽器が保持できるので譜めくりがやり易い、調弦がやり易いということが言えます。

振幅の大きなビブラートもかけやすいと思います。

 

一方肩当をするデメリットとしては、逆に右肩などに力が入りやすかったり、しっかり肩に固定されていることが返ってバイオリンを弾きながら自由に動かすことに制約があったりします。

初めのうちはしっかりバイオリンが持てていることが大切ですが現実の演奏となるとそのときに応じて臨機応変に動いているのです。そのあたりは肩当などで楽器を固定していないほうが断然自由ですね。

 

超一流のバイオリニストにも肩当をする名人、肩当をしない名人どちらもいらっしゃいますので一概にどちらがいいとは言い切れません。

人それぞれ体系も動きも違いますから自分に合った方法で楽器を保持できることが一番望ましいと言えますね。